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リーンスタートアップによる市場参入タイミングの最適化

2017年2月16日(木)

代表取締役 岡本充智【文責】

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 市場開拓は必要ですか?商品開発は必要ですか?このいずれの質問にも「いいえ」と答える経営者やマネジメント層はいないであろう。一方で新商品による市場開拓は、不確実性の極めて高いテーマだけに、思い切った投資には躊躇してしまいがちになる。その分、社内調整に手間取り、継続的なコストも積みあがる。結果、市場参入のタイミングを失してしまうことも多々あろう。そのようなジレンマを取り除く手法にリーンスタートアップの考え方がある。今回はこれを紹介したい。

 リーンスタートアップとは、リーン生産方式に端を発する考え方である。リーン生産方式は、1980年代に日本の自動車産業の生産方式(主にトヨタ生産方式)を研究したマサチューセッツ工科大学(MIT)の教授によって提唱された生産管理手法である。リーンとは贅肉の取れたという意味で、ムダのない生産方式と言える。

 ここではスタートアップ期におけるリーンとは何かということについて考えてみたいと思う。スタートアップ期とは新たな技術やノウハウにより開発された商品を市場に発売(上市)して一定の評価(良しも悪しきも)を得る時期とする。多くの場合、新商品は市場に出してみないとその評価は分からない。このことが意思決定の遅れを招き発売のタイミングを失したり、社内の利害関係部門よりの追究に耐えられずに発売を見送ったりすることも自らの経験も含めて多く存在している。

 スタートアップ期には、商品の完成までに生じるテクノロジーリスクが重視されがちである。しかしいい商品が売れるとは限らないと言われるように、実際は市場で売れない要因であるマーケットリスクの存在が大きい。この二つを合わせてオペレーショナルリスクと呼ぶ。このマーケットリスクを最小限抑えるのがリーンスタートアップの手法である。

 最近は、3Dプリンターの登場によりプロトタイプを低額で短期間で作れるようになってきた。また動画制作や画像加工の技術も飛躍的に向上し、リアリティのあるプロモーションツールを見せることも可能だ。プロトタイプを制作して、市場に問うてみることでマーケットリスクのありどころを見つけてマーケティング戦略の修正が加えられたり、製品の見せ方の調整が入ったり、場合によっては取説の内容に変更が起こるかもしれない。場合によっては、テクノロジーリスクを低減することができるかもしれない。

スタートアップ期の挫折要因はマーケットリスクに耐えられないこと

 プロトタイプを制作する際に重視しておきたいことがある。一つはデザイン、見た目、色目、形状、手触り、匂い、雰囲気、たたずまい、オーラ、快適さなど情緒的価値といわれる要素を的確に表現することである。二つは品質、性能、使いやすさ、設計通りに動くことなどの機能的価値。三つは広告のイメージ、サイトの打ち出し方、パッケージの説明書き、販促物のメッセージなど商品の価値を伝える内容である。これらの三つの訴求したい内容をそれぞれ作成してプロトタイプによる検証を行うのである。検証はそれぞれ個別に行うことで、製作期間や制作コストを節減することができる。まさにリーンなビジネススタイルである。このような検証に値するようなプロトタイプをミニマムバイアブルプロダクツ(MVP)と称する。

 ここでリーンスタートアップの基本原則をまとめておこう。まず仮説をビジネスモデルキャンバスに図解してみる。そのことにより市場参入の成功に必要なキーワードが関係性をもって整理できる。ビジネスモデルキャンバスについては、以下のコラムでまとめている。

ビジネスモデルキャンバスの活用
http://www.powerweb.co.jp/column/business-campus.html

 次に、このプロトタイプ、すなわちミニマムバイアブルプロダクツを作り市場から早期に評価を受けられるようにする。そして、市場からのフィードバックを受けながら商品開発やサービス開発を併行して進めていくのである。ソフト開発の手法であるアジャイル開発でもある。

リーンスタートアップの基本原則

 市場変化はいつの時代も早い。発売(上市)のタイミングこそ市場に受け入れられる重要な成功要因(KFS)である。レオナルド・ダ・ヴィンチ曰く、「幸運の女神には前髪しかない」。リーンスタートアップによる市場参入タイミングの最適化を図られたい。

以上

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    代表取締役岡本充智
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